2017年01月05日
凍死寸前の人間を
身体を丸め頬を胸にすり寄せられて、シンはたまらずもう一度抱きしめた。
ー まったく… どうしてこんなに可愛いんだか。どうにかさせられてるのは俺の方だ
口づければ熾火に再び火がつくのは当然の成り行きで。
チェギョンは朝の明るさの中でまたすすり泣かされる羽目になるのだった。
その後、ふくれっ面のチェギョンと朝食を食べることになってもシンはへっちゃらだった。
チェギョンをひと時も離さないシンのお蔭で、巣篭もりのような状態で年明けを迎えた。
シンの部屋の東向きの窓から見える初日の出を、毛布にくるまって素肌を寄せ合い二人で眺めたことも忘れられない思い出になった。
*****
元旦の朝食を終えてリビングのソファに座った時、チェギョンは切り出してみた。
「シンさん、新正(シンジョン)くらいは実家に顔を出したいのだけれど」
「そうだな。俺もご挨拶がしたい」
「え? シンさんがですか」
「ダメか?」
「えっと…」
両親にはシンのマンションに居ることなど全く話していない。
交際している人がいることすらまだなのに、どう話せばいいのやら。
これまでそういう事態になったこともないので、いきなりシンが行けば驚くに違いない。
チェギョンは正直にそう打ち明けた。
「まぁそうだろうな。だがいずれは通る道だ」
「そう…かな」
チェギョンはあれこれシュミレーションしてみて、頭をぷるぷると振った。それをシンは可笑しそうに眺める。
「先に我が家に行ってみるか。練習を兼ねて」
「はい? シンさんのご実家に…ですか?」
チェギョンは慌てていやいやいや…と手を振った。
考えただけで心臓メーターが振り切れそうだ。
練習になどなるレベルの話ではないではないか。
まだ自分の両親に紹介する方がましだとさえ思えてくる。
「あまり堅苦しく考えなくていい。ちょっと遊びに行く感覚でいいんじゃないか? それくらいなら中学生でもするぞ」
「私、それすら経験ないから」
「なら記念すべきお初(はつ)タイケンってやつだな。俺は光栄だ」
「光栄とか… もう! それももうちょっと後の方が」
「先送りしたって仕方ないだろう。それに親父から君のことを聞いておふくろも会いたがっているだろうし」
ー そ、そうか! もう私のこととっくに耳に入ってるよね
お母さん? うわぁ どうしよう
「あの… 私なんかで大丈夫なんですか? 反対なさってないですか?」
緊張で敬語になってしまう。
「特に何も言われてないぞ。だいたい30を超えた男がすることに誰が文句つけるってんだ」
「シンさん、ただ付き合うのと実家にご挨拶に行くのとでは次元が違うと思うんですけど」
「ふん、そうか。そうだな。俺大事なことをすっ飛ばしてるな」
ー まったく… どうしてこんなに可愛いんだか。どうにかさせられてるのは俺の方だ
口づければ熾火に再び火がつくのは当然の成り行きで。
チェギョンは朝の明るさの中でまたすすり泣かされる羽目になるのだった。
その後、ふくれっ面のチェギョンと朝食を食べることになってもシンはへっちゃらだった。
チェギョンをひと時も離さないシンのお蔭で、巣篭もりのような状態で年明けを迎えた。
シンの部屋の東向きの窓から見える初日の出を、毛布にくるまって素肌を寄せ合い二人で眺めたことも忘れられない思い出になった。
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元旦の朝食を終えてリビングのソファに座った時、チェギョンは切り出してみた。
「シンさん、新正(シンジョン)くらいは実家に顔を出したいのだけれど」
「そうだな。俺もご挨拶がしたい」
「え? シンさんがですか」
「ダメか?」
「えっと…」
両親にはシンのマンションに居ることなど全く話していない。
交際している人がいることすらまだなのに、どう話せばいいのやら。
これまでそういう事態になったこともないので、いきなりシンが行けば驚くに違いない。
チェギョンは正直にそう打ち明けた。
「まぁそうだろうな。だがいずれは通る道だ」
「そう…かな」
チェギョンはあれこれシュミレーションしてみて、頭をぷるぷると振った。それをシンは可笑しそうに眺める。
「先に我が家に行ってみるか。練習を兼ねて」
「はい? シンさんのご実家に…ですか?」
チェギョンは慌てていやいやいや…と手を振った。
考えただけで心臓メーターが振り切れそうだ。
練習になどなるレベルの話ではないではないか。
まだ自分の両親に紹介する方がましだとさえ思えてくる。
「あまり堅苦しく考えなくていい。ちょっと遊びに行く感覚でいいんじゃないか? それくらいなら中学生でもするぞ」
「私、それすら経験ないから」
「なら記念すべきお初(はつ)タイケンってやつだな。俺は光栄だ」
「光栄とか… もう! それももうちょっと後の方が」
「先送りしたって仕方ないだろう。それに親父から君のことを聞いておふくろも会いたがっているだろうし」
ー そ、そうか! もう私のこととっくに耳に入ってるよね
お母さん? うわぁ どうしよう
「あの… 私なんかで大丈夫なんですか? 反対なさってないですか?」
緊張で敬語になってしまう。
「特に何も言われてないぞ。だいたい30を超えた男がすることに誰が文句つけるってんだ」
「シンさん、ただ付き合うのと実家にご挨拶に行くのとでは次元が違うと思うんですけど」
「ふん、そうか。そうだな。俺大事なことをすっ飛ばしてるな」
Posted by karenqiqiling at 18:57│Comments(0)